「また議事録係か…」と思いながら、ノートを手にため息をついたことはありませんか。
製造業の定例会議や進捗会議では、若手のうちに議事録係を任されることが少なくありません。会議に集中したいのに、発言を逃すまいとメモを取ることに必死になって、気づけば会議の内容が半分も頭に入っていない——そんな経験がある人もいるはずです。
私は生産管理として7年ほど現場に携わってきましたが、そのキャリアの入り口、まだ若手だった頃に議事録をまとめる役をよく任されていました。定例会議や進捗会議のたびに資料作成・議事録作成に時間がかかり、本来やるべき改善活動に手が回らない時期がありました。この記事では、その状況を変えるために実際にやったこと、そして議事録の文量を3分の1に減らせた具体的な方法を紹介します。
読み終える頃には、ツールも予算もいらない、今日の会議から試せる工夫が見えているはずです。
製造業の会議・議事録作成が消耗する理由
「発言を逃すまい」とすることが最大の負担
製造業の会議は、品質会議・生産管理会議・進捗会議など種類が多く、若手のうちはそのすべてで議事録係になりがちです。私も同じ立場でした。
会議中は「発言を聞き漏らしてはいけない」というプレッシャーがあります。その結果どうなるかというと、発言をすべて拾おうとタイピングに夢中になってしまい、自分自身は会議の議論にほとんど参加できていない、という状態に陥っていました。
手書き・ノート文化からの書き起こしが二重作業になる
私がいた現場では、雰囲気や慣習でノートに手書きするのが当たり前でした。会議中は手書きでメモを取り、終わったあとにそれをパソコンで清書する——この「書いて、また書く」という二重作業が、正直かなりの負担でした。
会議が終わってからの書き起こしに時間がかかるということは、会議1回につき「会議時間+書き起こし時間」が丸ごと拘束されるということです。定例会議や進捗会議が週に何度もあれば、その分だけ本来の改善活動に使える時間が削られていきます。
若手議事録係として変えた3つのこと
ツールを導入したわけでも、上司に相談して仕組みを変えてもらったわけでもありません。自分一人の裁量でできることから始めました。
- ① ノートPCを持ち込む
- ② 端から端まで記録しない
- ③ 要点と数字だけをその場で記録する
それぞれ見ていきます。
① ノートPCを持ち込む
まず変えたのは、手書きノートをやめてノートPCを会議に持ち込んだことです。これだけで「あとで清書する」という二重作業がなくなります。
会議室に手書きが当たり前の空気がある場合、最初は少し勇気がいるかもしれません。ただ、実際にやってみると「効率化してくれている」と好意的に受け取られることの方が多かった印象です。
② 端から端まで記録しない
次に変えたのが、発言をすべて記録しようとするのをやめたことです。これが一番大きな転換点でした。
それまでの私は、発言を一言一句逃すまいとタイピングに夢中になっていました。ですが冷静に考えると、議事録に必要なのは「発言の全文」ではなく「何が決まったか」「何が課題として残ったか」です。会議の一字一句を追いかけることに時間を使うより、要点だけを追いかける方が、結果的に会議への理解も深まります。
③ 要点と数字だけをその場で記録する
最後に意識したのが、記録する範囲を「要点」と「数字」に絞ることです。生産管理会議であれば、納期・数量・進捗率といった数字は必ず正確に残す。一方で、そこに至るまでの雑談や言い回しは記録しません。
この基準を決めてからは、会議中にリアルタイムで議事録がほぼ完成する状態になりました。
結果:文量が3分の1になり、会議その場で議事録が完成
この3つを意識するようになってから、議事録の文量はおよそ3分の1になりました。会議が終わった時点でほぼ議事録が仕上がっているため、あとで清書する時間もほとんど必要なくなっています。
正直、最初は「そんなに削って大丈夫なのか」と不安もありました。ただ実際にやってみると、要点と数字さえ残っていれば、あとから見返しても困ることはなかったのです。むしろ、発言全部を追いかけていた頃より、会議の内容を自分でも把握できるようになりました。
製造業ならではの会議で気をつけていること
議事録の取り方以外にも、製造業特有の会議だからこそ意識していたことがあります。
- 品質会議・安全衛生委員会など、記録が義務になっている会議では「数字と決定事項」を最優先で拾い、それ以外を削る判断基準をより厳しくする
- 4M(人・設備・材料・方法)の変更が議題になる会議は、変更前後の条件だけは要点扱いにせず正確に書き残す
- 進捗会議で出てくる納期・数量は、あとから資材や出荷の担当者に確認されることが多いため、聞き取った時点で数字の読み上げ確認をする
いずれも「何でも減らす」のではなく、「減らしてよい部分」と「絶対に削ってはいけない部分」を先に線引きしておく、という考え方です。この線引きがあるからこそ、要点だけに絞っても困らない議事録になります。
AIツールを併用したい場合|ChatGPTで議事録をさらに効率化する方法
ここまで紹介したのは、ツールを使わずに自分一人でできる工夫です。録音・文字起こし・ChatGPTでの整形まで踏み込みたい場合は、品質会議・生産管理会議・安全衛生委員会それぞれのプロンプト例を含めて製造業の議事録をChatGPTで効率化|品質会議・生産管理会議・安全衛生委員会の実践ガイドで詳しく解説しています。
「まずは今日から一人で変えられることから試したい」という人は、この記事で紹介した3つの習慣から始めてみてください。
まとめ|ツールより先に「何を記録するか」を決める
製造業の会議・議事録作成が負担になる一番の原因は、「発言をすべて記録しなければ」という思い込みです。ノートPCへの切り替え、発言の取捨選択、記録範囲を要点と数字に絞ること——この3つを意識しただけで、議事録の文量は3分の1になり、会議その場で議事録が完成する状態になりました。
予算もツール導入も必要ありません。次の会議から、まず「何を記録して、何を記録しないか」を自分の中で決めることだけでも試してみる価値はあります。