「総務って、年収が低いよね」と言われたことはないでしょうか。
実際、転職サイトのデータを見ると、総務の平均年収は営業や技術職に比べて低めに出ることが多いです。自分の年収に停滞感を感じている方も少なくないと思います。
私は総務と工程管理、社内SEを10年やりながら、評価の出し方を変えたことで昇給のペースが変わった経験があります。「年収が低い」という感覚は、仕事そのものの価値が低いのではなく、評価の仕組みとの相性問題であることが多いのです。
この記事では、総務の年収相場を概観したうえで、「なぜ低く見えるか」の理由と、「今の職場で上げるための具体的な動き方」を整理します。
総務の年収相場(参考データ)
年代別・役職別の目安
公開されているデータを総合すると、おおよそ以下の水準です。
| 年代・役職 | 目安年収 |
|---|---|
| 20代(一般職) | 300〜380万円 |
| 30代(一般職〜主任) | 380〜500万円 |
| 30代後半〜40代(係長・課長) | 500〜700万円 |
| 管理職・専門職(経験豊富) | 700万円〜 |
ただし、これは業種・会社規模によって大きく変わります。大手メーカーや金融では総務でも600〜800万円台が珍しくない一方、中小企業では同じ経験年数でも300〜400万円台にとどまるケースも多いです。「低い」と感じるときは、業界・規模の違いを確認してから判断するのが得策です。
総務の年収が「低く見える」3つの理由
成果が数字に出にくい職種構造
営業は受注額、エンジニアはリリース数など、多くの職種には成果を示す数字があります。総務の場合、「問題なく業務が回った」ことが成果なので、数字として可視化しにくいです。評価制度が「成果に応じた昇給」設計の会社では、このアウトプットの見えにくさが年収の伸びに直接影響します。
「なんでも屋」化で評価基準が曖昧になる
頼まれた業務をすべてこなしていると、「何がこの人のメイン業務か」が不明瞭になります。評価者から見ると、「いろいろやってくれているが、特別に評価すべき点がわかりにくい」という状態になりがちです。
実際、私も入社4〜5年目まではこの状態で、評価面談のたびに「特に問題はない」で終わっていました。
会社規模・業種による差が大きい
総務は会社規模・業種の影響を強く受ける職種です。同じ総務経験5年でも、従業員1,000人規模の製造業と50人規模のサービス業では、年収に100〜200万円の差が出ることも珍しくありません。「総務の年収が低い」という感覚は、ご自身の状況と業界平均を混同していることも多いです。
総務の年収を上げる3つの方法
① 実績を数字で見せる報告スタイルへ変える
年収を上げる最短の方法の一つは、評価者に「この人は成果を出している」と認識させることです。「月次で問い合わせを〇件処理した」「この業務の処理時間を30%短縮した」という形で実績を数値化し、報告書や面談で見せる習慣をつける。それだけで評価者の認識が変わるケースがあります。
詳しい方法は「評価される総務がやっている6つのこと」にまとめています。
② IT・DXスキルで希少性を作る
同じ総務でも「ChatGPTを使って業務を効率化できる人」「Excel自動化を設計できる人」は、今の市場では希少です。スキルの希少性は、同じ会社での昇給にも、転職市場での評価にも直結します。ITパスポートやMOSなどの資格でスキルを外部評価させることも、年収交渉の材料になります。
③ 転職で市場価値を確認する
「今の職場で頑張っても年収が上がらない」という状態が続いているなら、転職市場で自分の価値を確認することも一つの手段です。ただし、転職は「年収が低い」だけを理由にするのではなく、「今の職場で改善できることをやりきってから動く」方が後悔が少ないです。転職タイミングの判断基準は「総務の転職判断」で整理しています。
転職 vs 今の職場での改善、どちらを選ぶか
以下のどちらに当てはまるかで判断の軸が変わります。
今の職場で改善を試みるべき状況
- 配属・昇格から1〜2年以内(まだ評価サイクルが回りきっていない)
- 評価制度があり、実績を示せば昇給の仕組みがある
- スキルアップで希少性を作る余地がある
転職を視野に入れるべき状況
- 実績を示しても「問題なし」止まりで昇給が動かない
- 会社の業績・規模が年収の天井を作っている
- IT・DXスキルを活かせる環境が今の会社にない
まとめ
総務の年収が低く感じる理由は、仕事の価値が低いのではなく、成果の見せ方と職場環境の問題であることがほとんどです。
- 実績を数字で可視化する
- IT・DXスキルで希少性を作る
- 転職で市場価値を確認する
この3つを順番に試してみることが、総務の年収を上げる最も現実的なロードマップです。キャリア全体の方向性を整理したい場合は「総務からのキャリア設計」も参考にしてみてください。