
総務DXの経験はあるけど、転職活動で何をアピールしたらいいかわからない。
こんな悩みに答えます。
これは多くのDX経験者が直面する壁です。
- VBAでExcelを自動化した
- Pythonで集計業務を効率化した
- kintoneを社内に展開した
積み上げてきた経験があるはずなのに、いざ転職活動になると「エンジニアじゃないし、どう書けばいいか…」「大したことはしていない気がして」と手が止まりませんか。
でも、それはアピール方法がわからないだけで、
良い刀を持っているのに鞘に入れたままにしている状態です。
総務でDX・IT経験を持つ人材は、転職市場でかなり希少です。大半の総務担当者は業務改善を「やりたいけど手が回らない」で止まっているからです。そこを実際に動かせた経験は、採用担当者から見ると「使える人材」の証拠そのものなのです。
この記事では、DX・IT経験を転職で正しく伝えるための職務経歴書の書き方と、面接での話し方を具体的に解説します。
この記事は、総務部門でVBA・Pythonを実務で使ってきた経験をもとに書いています。
なぜ総務のDX経験は転職で強みになるのか
「ITがわかる管理部門」の需要はかなり高い
企業のDX推進ニーズが高まる中、「業務もわかってITも使える管理部門スタッフ」のニーズは年々高まっています。
しかし実態として、実際に社内ツールを作った・自動化した経験がある総務担当者はまだ少数派です。
採用担当者として多くの人をみてきましたが、「Excel VBAを書ける総務担当者」は一段上のカテゴリに見えます。スキルもそうですが、「自分で課題を見つけて動ける人」という評価もついてくるのです。
「業務×IT」の橋渡し役として評価される
実際の現場は以下の矛盾があります。
エンジニアはシステムを作れる。
ただ、業務フローや社内調整の実態はわからないことが多い。
一方、
管理部門出身者は業務はわかる。
でもITのことはわからない。
これが多くの企業の現実です。
そこに「業務改善もできて、ITも使える総務」は正直、無双状態ですね。具体的には、
- 自分でVBAを書いた経験があれば、エンジニアへの仕様説明もできる
- kintoneを社内導入した経験があれば、ベンダーとの交渉・社内説得の実績もある
「橋渡し役として機能できる」ことが、この経験の本当の市場価値なのです。
職務経歴書は「何をしたか」より「何が変わったか」
職務経歴書でDX・IT経験を書くときに一番やりがちなミスは、やったことを書いて終わりにすることです。
❌ NG例:「Excelマクロを用いた業務効率化を担当しました」
これでは採用担当者に何も伝わりません。
「どの業務が」「どのくらい変わったのか」が見えないからです。
実績は必ず「数字×ビフォーアフター」で書く
職務経歴書に書くべきは「変化の量」です。
コツは元の状態→どうしたか。
✅ OK例:「備品管理台帳のExcel化にあたり、VBAで棚卸しシート自動生成を実装。年1回の棚卸し作業を半日→2時間に短縮(75%削減)」
ポイントは3つです。
- 対象業務を具体的に書く(備品管理台帳、社内問い合わせ対応、契約更新管理など)
- 使ったツール・手法を書く(Excel VBA、Python pandas、kintone、Google Forms など)
- 変化を数字で書く(時間削減率、処理件数、エラー件数など)
数字がない場合でも「月3件あった入力ミスがゼロになった」「毎週2時間かかっていた集計が10分になった」という形で具体化できます。
「大きな成果でないと書けない」は思い込みで、小さな改善でも数字にすれば伝わります。
書きやすい実績フォーマット
【課題】〇〇の作業に毎週X時間かかっていた/ミスが頻発していた
【対応】ExcelのVBA・Python・kintoneを使って〇〇を自動化・電子化
【結果】作業時間をX時間→Y時間に短縮(Z%削減)/ミスゼロを達成
【補足】担当者が変わっても運用できるよう手順書を整備し引き継ぎ済み
「課題→対応→結果」の流れで書くと、採用担当者が実力を具体的にイメージできます。「補足」に引き継ぎ・定着化の話を入れると「続く仕組みを作れる人」という印象が加わり、なお良いです。
経験別の書き方例
具体的な例に落とし込むと…、以下のような感じです。
| 経験 | 職務経歴書への書き方例 |
|---|---|
| Excel VBAで集計自動化 | 「毎月の備品発注集計をVBAで自動化。作業時間を週2時間→15分に短縮(87%削減)」 |
| Pythonで台帳比較 | 「棚卸し差異確認をPythonで自動化。手作業照合を廃止し、棚卸し工数を50%削減」 |
| kintone・Google Formsで申請フロー構築 | 「紙申請をkintoneで電子化。決裁時間を平均3日→当日に短縮。月30件の申請を処理」 |
| ChatGPT活用(問い合わせ対応) | 「社内問い合わせ対応にChatGPTを導入し、回答テンプレを整備。対応時間を月4時間削減」 |
やってはいけないアピール方法
逆にやってはいけないアピール方法もあります。
ツール名の羅列だけで終わる
「Excel・kintone・ChatGPTを使用」と書くだけでは評価されません。使っただけで活かせているかどうかが伝わらないからです。必ず「何の業務に・どのくらい効果があったか」とセットで書くこと。
「DX推進を担当しました」だけで終わる
DX推進という言葉は響きがよいですが、具体性がなければ「名ばかりDX担当」と見られます。「何の業務を・どのツールで・どう改善したか」まで書かないと、採用担当者の記憶には残りません。
謙遜しすぎる
これ、実際によくあります。
「大したことはしていないですが…」「エンジニアほどではないですが…」という枕詞は、せっかくの実績を自分で下げてしまいます。事実を数字で語れば、謙遜は不要なのです。
謙遜は良いことのようですが、採用担当者は数字の事実を見て判断します。面接担当としては、少なくともご自身のやってきたことには自信を持って欲しいです。
面接での話し方——「ITができる総務」として印象を残す
「なぜやろうと思ったか」から始める
面接官が聞きたいのは「何をやったか」より「なぜやったか・どう考えたか」です。技術的な内容は質問があったときだけで良いです。
- 課題を発見したきっかけを話す(「毎月の集計作業に30分かかっているのが気になって」)
- 解決策を考えたプロセスを話す(「まずExcelの関数を試し、限界を感じてVBAを独学で始めました」)
- 結果と副次効果を話す(「作業時間を削減できただけでなく、後任への引き継ぎも簡単になりました」)
- 次にやりたいことにつなげる(「御社でも〇〇のような業務改善に取り組みたいと考えています」)
この流れで話すと、「自分で課題を見つけて動ける人」という印象を残せます。
「エンジニアとの違い」を先に説明しておく
面接でよく出る質問が「ITのスキルレベルはどのくらいですか?」です。
ここで「エンジニアほどではないですが…」と引いてしまうのが一番もったいない。
おすすめの答え方はこれです。
「プログラミングの専門家ではありませんが、業務改善に必要な自動化はPythonやVBAで自分で作れます。エンジニアへの仕様説明や、ITツールの社内展開・運用設計も経験しています。」
大事なのは「完璧なコードを書けるか」ではなく、「業務の文脈の中でITを使って問題を解決した経験があるか」を伝えることなのです。
これが先述した、エンジニア・総務にはできない、あなたの総務✖️ITの部分です。
よく出る面接質問と答え方のポイント
私の経験ですが以下のようなイメージです。
Q. ITスキルはどの程度ですか?
→「Excel VBAと基本的なPythonが使えます。これまで〇〇の業務自動化に活用し、△△の成果を出しました。エンジニアへの発注・仕様説明も経験しています」
Q. 今後DXをどう進めていきたいですか?
→「まず現場の業務フローを把握した上で、小さく試せるところから改善を始めたいと考えています。ツール先行ではなく、現場が使い続けられる仕組みを作ることを重視しています」
Q. 独学でどのようにITを学びましたか?
→「業務上必要な場面で調べながら覚えました。実務の中で使うことで定着しています。現在も継続的に学んでいます」
DX経験のある総務が狙うべき転職先
①ITツール導入を推進したい中小・中堅企業の管理部門
中小企業ほどIT人材を欲しています。
これからDXがどんどん広まっていき、「実際にツールを導入・運用した経験者」が特に重宝されます。前職での経験をそのまま再現できるため、即戦力として評価されやすいです。求人票に「業務改善」「ペーパーレス化」「社内DX」などのキーワードがあれば狙い目です。
②「管理部門のDX推進担当」ポジション
大企業でも「管理部門のDX推進担当」という役割が増えています。
エンジニア採用ではなく、業務を理解した上でDXを推進できる人材を求めているため、総務バックグラウンドが直接強みになります。求人票に「業務改善」「社内DX」「ワークフロー改善」などのキーワードがあれば狙い目です。
③SaaS系企業のカスタマーサクセス・導入支援
kintone・SmartHR・freeeなどのSaaSを社内で使った経験は、そのサービスのカスタマーサクセス(CS)職でも評価されます。
「使う側として苦労した経験」「社内展開・定着化を経験した経験」は、ユーザー支援の仕事に直結するからです。求人票に「導入支援」「オンボーディング」「カスタマーサクセス」とあれば有力な選択肢です。
まとめ
DX・IT経験のある総務担当者が転職でやるべきことを整理します。
- 職務経歴書:「課題→対応→結果(数字)」の構造で書く。ツール名の羅列はNG
- 面接:「なぜやろうと思ったか」から始め、エンジニアとの役割の違いを先に伝える
- 転職先:DX導入期の中小企業・管理部門DX担当ポジション・SaaS系CSが狙い目
- 注意:ツール名の羅列・謙遜しすぎに注意する
「総務×IT」の経験者は、転職市場ではまだ少数派です。アピール方法を整えれば、同じ総務経験者の中で明確に差別化できます。
経験そのものを変える必要はなく、伝え方を変えるだけで評価は大きく変わります。
総務・DX経験をどのエージェントに持ち込むかも、転職成功の分かれ目です。
実はIT系はスポット的な採用が多いので、エージェント型の方が向いてます。
管理部門の求人に強いエージェントと、IT・DX系の求人が多いエージェントを使い分けることで、選択肢が大きく広がります。
転職エージェントは複数登録が基本で、DX経験のある総務には特に「管理部門専門型」と「IT・DX求人型」を掛け合わせるのがおすすめです。