
総務部って、どんな資格を取ったらいいんだろう?
こんな悩みに答えます。
調べると「おすすめ資格10選」みたいな記事ばかり出てきますよね。10個も並べられても、どれから手をつければいいか分かりません。
しかも、書いているのが資格スクールや転職エージェントばかりで、「実際に総務で働いている人の話」が出てきません。
結論から言います。
総務部→生産管理→総務部(社内SE)で10年働いた経験から言うと、本当に役立つのは3つだけです。
それ以外の資格は「あれば多少プラス」くらいで、優先度は低いです。
私が何を取って、何を途中でやめて、何が実際に役立ったか。
正直にお伝えします。
総務部で本当に役立つ資格3選
- 日商簿記2級
- FP2級(ファイナンシャルプランナー)
- 衛生管理者
この順番は難易度順です。
それぞれ、なぜ役立つのかを説明します。
① 日商簿記2級【まず最初に取るべき】
総務・経理を担当するなら、簿記2級は必須に近いです。
個人的にはビジネスパーソン全ての人が知っておくべきことだと思います。決算書ができるまで、会社がどのように記録しているかの動きのことですから。
実務でどう役立つか
私が経理を担当し始めたころ、簿記の知識がないまま仕訳をやっていて、先輩に「なぜこの処理になるか分かっているか?」と聞かれて答えられませんでした。
操作は覚えても、意味が分からないまま処理していた状態です。当然自分でもわからないミスを繰り返します。
それが、簿記2級を取ってから、同じ処理でも「なぜそうなるか」が分かるようになりました。
例えば、生産管理をしていた時は、協力工場や原料、いわるゆ「仕入れ」に携わることが多かったのですが、イレギュラーな処理が発生したときに、自分で判断できるようになったのが一番大きかったです。
経理から離れた今でも、以下の場面で毎日使っています。
- 書類の保管期限の判断(どの書類がいつまで必要か)
- コスト削減の提案(数字の根拠を持って話せる)
- システムデータの修正
先輩社員でも意外と経理知識がない人は多いです。例えばデータ修正ひとつとっても、営業なら「売上」だけ、購買は「仕入」、現場は「在庫」だけ・・・のようにひとつの視点でしか考えることができていない、と私は日々感じています。
これは簿記の知識ですね。
売り上げ修正を考えてみてください。売り上げデータを変えるには、出荷数、在庫数が変わります。在庫数に影響があるということは資産に関係してきます。もちろんB/SやP/Lに関わる部分ですね。
取得の目安
- 3級:3ヶ月(独学・毎日30分)
- 2級:3級取得後さらに3ヶ月
- 費用:テキスト+受験料で合計1万5,000円程度
3級を飛ばして2級から始めるのはおすすめしません。
2級は3級の内容が前提になっているので、3級→2級の順番で進めた方が効率が良いです。勉強法をまとめています。ご自身に合った方を選んでください。
② FP2級【簿記の次に取ると相乗効果が高い】
FP(ファイナンシャルプランナー)は、社会保険・税金・労務・資産運用を幅広く学べる資格です。
総務が日常的に扱う範囲をほぼカバーしています。
実務でどう役立つか
総務部に来る社員からの相談は、こういったものが多いです。
- 育休を取ったら給料はどうなりますか?
- 社会保険って、扶養に入れる収入はいくらまでですか?
- 退職したあと、健康保険はどうすればいいですか?
FP2級の勉強をしていると、これらの質問に根拠を持って答えられるようになります。
「確認してから連絡します」ではなく、その場で答えられるようになったとき、社員からの信頼がかなり変わりました。
取得の目安
- 3級:2〜3ヶ月(独学・毎日30分)合格率60%
- 2級:3級取得後さらに3ヶ月 合格率40%前後
- 費用:テキスト+受験料で合計1万5,000円程度
簿記と違い、FPは実生活にも直結する知識なので勉強していて飽きにくいです。
「自分の保険や年金の見直しになった」という副産物もありました。
→FP3級:【独学】FP3級の勉強方法とおすすめのテキスト【3か月で合格できた】
→FP2級:【独学】FP2級の勉強方法とおすすめテキスト
③ 衛生管理者【取らざるを得ない場面が来る】
衛生管理者は、法律で設置が義務付けられている国家資格です。
従業員50人以上の事業場には必ず1人以上の衛生管理者が必要で、総務部員が取ることを求められるケースが多いです。
実務でどう役立つか
「役立つ」というより、「会社から取るよう言われる」資格です。
ただ、取得すると職場の安全衛生管理に関わる業務が増え、労働基準監督署への対応や職場環境の改善提案を任されるようになります。
「総務の専門性」として認められる場面が増えるのは事実です。
取得の目安
- 勉強期間:1〜2ヶ月(毎日30〜60分)
- 合格率:第一種 約45%、第二種 約55%
- 受験料:8,800円
- 受験資格:労働衛生の実務経験1年以上(要確認)
受験資格に実務経験が必要なので、入社直後には取れません。
1年ほど経ってから準備を始めるのが現実的です。
会社の命令であればテキスト、受験料を経費で落としてもらいましょう。
社労士は取るべきか【半年通ってやめた話】
「総務といえば社労士」とよく言われます。
私も取ろうと思って、夜間スクールに半年通いました。結論、途中でやめました。
やめた理由は2つです。
- 仕事が忙しくなって勉強時間が確保できなくなった
- 簿記2級とFP2級だけで現場の9割の業務に対応できていると気づいた
社労士は合格率6%の難関資格で、合格まで平均2〜3年かかります。
「取れたら最強」は間違いないですが、取得までの時間とコストを考えると、まず簿記とFPを取る方が費用対効果が圧倒的に高いです。社労士の基礎になりますし。
社労士は「独立して事務所を開きたい」「人事労務のプロとして転職したい」という明確な目標がある方向けです。
総務部員として社内でキャリアを積むなら、簿記2級+FP2級で十分です。
よく名前が出る資格の正直な評価
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
WordやExcelのスキル証明ですが、「持っていない人がいる」という状況でなければ差別化になりません。
個人的にエクセルなら、難しめの関数名「REGEXEXTRACT」「SUSTOTAL」「TEXTJOIN」など出せばスキル証明になります。
就活・転職の書類選考では有効ですが、社内でのキャリアアップにはほぼ影響しません。
まだ持っていない方は取っておいて損はありませんが、優先度は低いです。
中小企業診断士
経営全般を学べる国家資格ですが、合格まで3〜5年かかります。
総務の実務に直結する場面は少なく、コンサルや独立を目指す方向けです。
総務部のキャリアアップ目的なら優先度は低いです。
ビジネス実務法務検定
契約書レビューや法的リスクの基礎知識を学べます。
総務で契約書管理を担当する方には役立ちますが、簿記・FPより優先度は下です。
キャリア別のおすすめ順番
新卒・総務配属1〜3年目
- 簿記3級(3ヶ月)
- 簿記2級(3ヶ月)
- FP3級(2ヶ月)
- FP2級(3ヶ月)
この4つを2年以内に取れれば、総務部員としての基礎は十分整います。
転職を考えている方
簿記2級+FP2級があれば、事務・総務・経理系の求人では書類選考で確実にプラスになります。
私も採用担当をしていますが、あまりいません。
(中小企業だからかもしれませんが)
採用担当として面接してきた経験から言うと、資格の有無より「資格をどう実務に活かしたか」を話せる方が印象に残ります。
出世・管理職を目指す方
衛生管理者を取得したあと、社労士の学習を始めるのが王道ルートです。
ただし、社労士取得まで時間がかかるため、学習開始は早いほど良いです。
まとめ
総務部で本当に役立つ資格をまとめます。
- まず取るべき:簿記3級 → 簿記2級
- 次に取るべき:FP3級 → FP2級
- 会社から求められたら:衛生管理者
- 独立・専門職を目指すなら:社労士(ただし長期戦)
「何から手をつければいいか」という方は、まず簿記3級のテキストを1冊買うところから始めてください。
1,000円台で買えて、読み始めると3ヶ月後の合格がリアルに見えてきます。
→ 簿記3級の独学勉強法【3ヶ月で合格できるテキスト・スケジュール】
→ 簿記2級|独学合格までのロードマップ!3回受験して分かった勉強方法とテキスト
総務部のキャリアについてさらに詳しく知りたい方は、こちらもあわせてどうぞ。
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