評価される総務がやっている6つのこと|目標設定・報告・可視化の実践法

頑張っているのに、評価が全然上がらないのは、なんでだろう?

こんな総務の悩みに答えます。

書類の管理、法改正への対応、社員からの問い合わせ対応、備品の調達、行事の段取り。どれも会社が動くために欠かせない仕事です。

だけど評価を見るたびに
「これって、正しく見てもらえているのか・・・?」と思いますよね。

実際、総務専門メディアの調査では総務担当者の7割以上が「評価制度は自分の仕事を適切に評価していない」と回答しています。これは個人の努力不足の話ではなく、総務という職種が持つ構造的な問題です。

ただ、同じ環境・同じ制度の中で、きちんと評価されている総務の人も存在します。

その違いは「能力差」よりも「見せ方・言語化・記録の習慣」にあることに気づきました。

この記事では、総務部に所属する社会人10年目の私が、評価されにくい構造の理由を解説。そして評価されている人が実際にやっている6つのことを紹介します。

  • 目標設定の具体的な言葉
  • 面談で使えるフレーズ

を解説します。
次の面談が、少し楽しみになるかもしれません。

総務が「評価されにくい」のは構造的な理由がある

成果が見えにくい職種の宿命

営業なら売上。エンジニアなら開発したシステム。
製造なら生産数量。

こうした職種は「成果」が目に見える形で残ります。一方、総務の仕事は、

「今月、問い合わせを200件さばきました」「法改正への対応を漏れなく完了しました」「備品コストを削減しました」。

これらは確かに成果ですが、うまくいっていることは「当たり前」として素通りされ、1つミスがあると「なぜ?」と追及される。

総務は減点方式。
100点が当たり前、ミスして減点。

これが、総務特有の減点主義という構造です。

減点主義になりやすい評価制度

総務の仕事は、うまくいって「ゼロ」、失敗すると「マイナス」になりやすい。

会社の行事が滞りなく終わっても誰も褒めません。でも書類のミスや対応の漏れは、すぐに誰かの目に触れる。

私自身、総務に異動して最初の2年はこの感覚に苦しみました。「これだけやっているのに、とくに評価が無い…」。当時は「頑張り方が足りないのか」と思っていましたが、そうではなかったのです。

問題は仕事量ではなく、成果の見せ方を知らなかったことでした。

7割が評価制度に不満という現実

冒頭でも触れましたが、総務専門メディアの調査で総務担当者の7割以上が「評価制度は自分の仕事を適切に評価していない」と感じているというデータがあります。同調査では8割以上が「目標管理が難しい」とも回答しています。

つまり、評価されにくいと感じているのはあなただけではない。
それが現実です。

ただ、だからといって「制度が変わるまで待つ」だけでは何も変わりません。制度の問題を認識した上で、個人として打てる手を打つ。それが現実的な選択です。

評価される総務がやっている6つのこと

では、評価される総務がやっていることを紹介します。

経験上、同じ部署・同じ制度の中で、評価されている人とされない人には、明確な行動の差があります。

分析してると、以下の6つを意識しているかどうかでした。

① 成果を「数字」で語る習慣を持っている

評価される総務の人が共通してやっているのが、仕事を数字で語ることです。

「問い合わせ対応をがんばりました」ではなく、「月平均180件の問い合わせを、2営業日以内の解決率95%で処理しました」と言える状態にする。上司は数字があると判断しやすくなるのです。

私は数字にするのが苦手だったのですが、意外と楽で「カウントするだけ。」という感覚です。

これでいいのかな?という気持ちがわいてきますが、数字って意外とアバウトなモノです。数字にできないと思いがちな業務も、以下のように言語化できます。

  • 備品管理 → 「年間備品コストを前年比8%削減(約12万円)」
  • 法改正対応 → 「◯件の法改正を遅延ゼロで対応完了」
  • 社内問い合わせ → 「月間問い合わせ件数を前期比20%削減(FAQ整備による)」
  • 社内行事運営 → 「参加率85%、アンケート満足度4.2/5.0」

私の経験上、内容に言及されても数字を細かく追求されることはないです。

総務は数値化が難しいを逆手にとった感じですね。慣れるまでバンバン数字にしてみましょう。

② 「やって当たり前」を「報告して価値に変える」

評価されない総務の人のほとんどが、「やって当たり前だから報告しなくていい」という意識を持っています。でも、上司は現場で何が起きているかを細かく見ていないことが多い。

月次でよいので、「今月やったこと・解決したこと・改善したこと」を簡単にメモして渡す習慣をつけてみてください。A4一枚で十分です。

報告書というより、成果の見える化ツールです。上司との1on1でこれを使えば、「あ、こんなにやってくれていたの」という反応が返ってくることが多い。

③ 上司言語(コスト削減・リスク回避)で話している

上司が気にしているのは、コストとリスクです。

「社員が使いやすくなった」「問い合わせが減った」は担当者の言語ですが、上司の言語では「業務コストの削減」「法的リスクの回避」になります。

同じ仕事を報告するときに、どちらの言語を使うかで印象が変わります。
こんな感じです。↓

  • NG:「就業規則を更新しました」
  • OK:「改正労働法に対応した就業規則更新を完了。未対応のリスクを事前に除去しました」
  • NG:「備品の整理をしました」
  • OK:「在庫の見直しで過剰発注を防ぎ、年間約8万円のコスト削減見込みです」

内容は同じでも、相手の関心軸で話すだけで「こいつはわかっているな」という印象が生まれます。面談でも同じです。「頑張りましたが評価に反映されていない気がします」という受け身の発言ではなく、以下のように変換するだけで印象が変わります。

  • 「今期は◯◯を達成しました。具体的には〜という形で数字に出ています」
  • 「この業務をやることで、◯◯というリスクを回避できていると認識しています」
  • 「来期は◯◯を定量目標として設定したいと考えています。ご確認いただけますか」

④ 評価される目標を先に立てている

「総務は定量目標が立てにくい」とよく言われますが、先述のとおり、工夫すれば数値目標は作れます。評価される総務の人は、期初に上司と合意できる目標を自分から設定します。以下の切り口が使いやすいです。

  • コスト削減系:「備品費を前年比◯%削減する」「外部委託費を◯万円以内に抑える」
  • スピード系:「問い合わせ対応を平均◯営業日以内で完結させる」
  • 対応完了率系:「法改正の対応を期限内に100%完了する」
  • 改善件数系:「業務フロー改善を◯件実施する」
  • 満足度系:「社内アンケートで総務対応の満足度◯点以上を維持する」

すべてを数値にできないときは「状態の変化」で表現する定性目標も有効です。

  • 「社内FAQを整備し問い合わせの一次解決率を上げる」
  • 「新入社員の入社手続きフローを標準化し、誰でも担当できる状態にする」

「何を・どんな状態にする」と動詞で終わらせるのがポイントです。

⑤ 改善の「前後比較」を記録している

業務改善をやったとき、「Before / After」を残す癖をつけてください。

  • Before:問い合わせ対応に平均45分かかっていた
  • After:FAQを整備して平均15分に短縮、月間30時間の工数削減

これが面談で語れると、「ちゃんと考えて動いている人」という印象を与えられます。やっていることは同じでも、記録があるかどうかで評価の話しやすさが全然違います。

あわせて、週に一度5分で書く「仕事ログ」もおすすめです。
Excelの一行でよきです。

「日付 | 業務名 | 対応件数/時間 | 成果・改善点」の4カラムで記録しておくだけで、半年後の面談で「こんなことをやっていたんだ」と自分でも驚くくらいの武器になります。

業務改善のアイデアをストックしておくのも並行してやっておくことがオススメです。「総務の業務改善アイデア10選」に私の経験から予算ゼロで考えられるアイデアをまとめました。

⑥ 社内満足度を数値で可視化している

Googleフォームで社内アンケートを作るのは、思ったより簡単です。

  • 「総務の対応は迅速でしたか(1〜5)」
  • 「必要な情報はすぐに見つかりましたか(1〜5)」
  • 「総務の対応に満足していますか(1〜5)

などを設問を5問程度。

月に1回でも実施して結果を蓄積しておけば、「社内満足度4.1→4.4に改善」という数字が生まれます。

じつは上司も経営層も、この種の数字は評価しやすいです。外部の事例でも同様の手法で総務の成果を可視化している事例が紹介されています。

コストゼロで始められる点も、実行のハードルが低くておすすめです。

それでも評価されない場合の判断軸

個人の問題か・環境の問題か

できれば先ほど挙げた6つを試してみてください。

全部試しても評価が変わらない。
そもそも、改善する元気が湧いてこない。

そう感じるなら、それは環境の問題です。
以下3つの問いで確認してみてください。

  • がんばった結果が給与に反映されていなと感じる
  • 上司が評価の仕方をわかっていない
  • 総務が会社の中で軽視されている

実はこれらは環境要因です。個人の努力で変えられるかもですが、それするくらいなら独立しますよね。個人の行動だけで変えるには限界があります。

年収を上げるのであれば、転職が手取り早いのですが、まずは、どうしたら年収が上がるのかを知っておいて欲しいので、別記事「総務部の年収は上がるのか?」にまとめましたのでぜひ読んでみてください。

転職・異動を視野に入れるタイミング

一番の理想は、

「評価される環境に移る」

ですね。

重要なのは、これは苦しんだ先ではなく、普通のキャリア判断です。評価されない場所で頑張り続けることがキャリア上の正解とは限りません。

ただし、「今の環境で打てる手を全部打った上での判断」にすることが重要です。それをしないまま転職しても、次の環境でも同じ悩みを繰り返す可能性があります。

総務からのキャリアの広げ方については、こちらも参考にしてください:総務からのキャリア設計

まとめ:今日からできる3つのアクション

評価されにくい構造は確かにあります。
でも、その中で評価されている人は確実にいます。

違いは能力より「見せ方・言語化・記録の習慣」です。

  • ① 今週から仕事ログをつける:週5分でOK。「日付|業務名|件数/時間|成果・改善点」の4カラムでメモする
  • ② 次の面談まで1つだけ定量目標を作る:「◯◯を△△%改善する」という形で言語化する
  • ③ 上司への報告をコスト・リスク言語に変える:「やりました」を「◯万円削減できました」に変換する

3つ全部やる必要はないです。
まず1つだけ、次の1週間で試してみてください。

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