「ChatGPTを使ってみろ」と言われたけど、総務の何に使えばいいかわからない。
こういう状態、ありますよね。アカウントだけ作って、とりあえずレシピを調べてみたけど、業務に落とし込む前に力尽きた…という話、総務10年のあいだに、同じ状態の後輩を何人も見てきました。
この記事では、総務の仕事でChatGPTを使う具体的な方法を、プロンプト例15選+実際に使ってみた感想つきでまとめています。コピペして試せる形にしていますので、記事を読み終わったその日に使い始めることができます。
「とりあえず使えるものが欲しい」という方は、3章のプロンプト一覧まで飛んでいただいてもかまいません。
なぜ総務の仕事にChatGPTが向いているのか
定型業務が多い総務の特性とChatGPTの相性
総務の仕事は、「毎年ほぼ同じことをやっている」業務が多いのではないでしょうか。
入社案内・社内規程の改訂・会議のアジェンダ・議事録・備品管理の連絡文…。内容は変わっても、フォーマットや文体はほぼ同じ。それを毎回ゼロから書いているのが総務の現実です。
ChatGPTが得意なのは、まさにその「パターンのある文章を素早く生成すること」です。毎年書き直している書類を、プロンプト一発で下書きまで仕上げる。それだけで、作業時間が半分以下になるケースも珍しくありません。
文章作成・整理・アイデア出しに強い理由
ChatGPTが特に力を発揮するのは、次の3つの場面です。
- 文章の下書き生成:ゼロから書き始める手間をなくす
- 文章の整理・要約:長い議事メモをきれいに整形する
- アイデアの壁打ち:社内イベントや研修のたたき台を出させる
総務の仕事は、この3つで占められている割合がかなり高い。つまり、総務ほどChatGPTの恩恵を受けやすい部署はないとも言えるのです。
ChatGPTを使う前に確認すること(3つ)
プロンプトの話に入る前に、これだけは確認してください。
① 機密情報・個人情報は入力しない
社員の氏名・住所・給与情報、取引先の契約内容、社内の未公開情報は絶対に入力しないでください。ChatGPTに送った情報は、学習データとして使われる可能性があります(設定により異なりますが、無料プランは特に注意)。
実際、私も一度「なんとなく議事録の原文をそのまま貼り付けてしまった」ことがあります。社名や個人名が入っていて、後から気づいて冷や汗をかきました。プロンプトに貼る前に、固有名詞を「○○社」「A部長」に置き換える習慣をつけておくのが一番安全です。
② 出力は必ずダブルチェックする
ChatGPTは「それらしい文章」を出すのが得意ですが、事実確認はしていません。法令の条文・数字・日付などは必ず自分で確認してください。とくに就業規則や社内規程の改訂サポートに使う場合、内容の正確性は人間が担保する前提で使うことが必須です。
③ 社内のAI利用ルールを確認する
会社によっては、AIツールの業務利用に制限があるケースもあります。「とりあえず使ってみよう」と始める前に、情報システム部門や上長に確認しておくと安心です。逆に言えば、ルールがないなら先手を打って社内ルール案を作るチャンスでもあります。
【業務別】ChatGPTで効率化できる総務業務15選
以下、実際に総務の現場で使えるプロンプトをカテゴリ別にまとめました。各プロンプトの下に「実際に使った感想」を添えています。
【庶務】社内連絡文・案内文・お知らせ作成
プロンプト① 社内向けお知らせ文の作成
以下の内容をもとに、社内向けのお知らせ文を作成してください。
【目的】空調設備のメンテナンスに伴う使用停止のお知らせ
【対象】全社員
【日時】2026年5月10日(土)9:00〜17:00
【注意事項】当日はサーバー室も停止するため、社内システムへのリモートアクセス不可
文体は丁寧かつ簡潔に。300字前後でまとめてください。
💬 使ってみた感想:下書きが30秒で出てきます。あとは日時と固有名詞を確認するだけ。これだけで、毎月のルーティン連絡の時間が体感で半分以下になりました。
プロンプト② 既存の連絡文をリトーンする
以下の社内連絡文を、もう少し柔らかい文体に書き直してください。内容は変えずに、読んだ人が受け取りやすいトーンにしてください。
【元の文章】
〔ここに既存の連絡文を貼り付け〕
💬 使ってみた感想:上司が書いたかたい文章を、部門内に展開しやすい表現に直すときに重宝します。「私が書き直しました」感を出さずに済む点も、地味に助かります。
【会議】アジェンダ作成・議事録整理
プロンプト③ 会議アジェンダの作成
以下の条件で会議のアジェンダを作成してください。
【会議名】2026年度 総務部門 業務改善会議
【参加者】総務部員5名(部長・担当者4名)
【時間】90分
【主なテーマ】① 紙書類のデジタル化進捗報告 ② 社内問い合わせ対応の改善 ③ 来期の備品購入方針
タイムライン付きで作成してください。
💬 使ってみた感想:「だいたいこんな感じで」と思っていた内容を文章にする手間がなくなります。出てきたたたき台を少し調整するだけで完成するので、アジェンダ作成が10分から2分になりました。
プロンプト④ 議事メモを議事録に整形する
以下の会議メモをもとに、正式な議事録を作成してください。
【書式の条件】
- 日時・参加者・議題・決定事項・次回アクション の順で整理
- 決定事項とアクションは箇条書き
- 担当者名はA・B・Cのように匿名表記でよい
【会議メモ】
〔ここにメモを貼り付け〕
💬 使ってみた感想:走り書きしたメモをそのまま貼り付けるだけで、体裁が整った議事録になります。決定事項の抽出が特に優秀で、自分でまとめるより見落としが少ない印象です。
【労務】就業規則Q&A・社内FAQ作成
プロンプト⑤ 就業規則に関する社員向けQ&Aの作成
以下の就業規則の条文をもとに、社員がよく疑問に思いそな質問とその回答を5つ作成してください。難しい言葉は平易な表現に言い換え、わかりやすくまとめてください。
【条文】
〔就業規則の該当箇所を貼り付け〕
💬 使ってみた感想:就業規則の問い合わせ対応は、毎年同じ質問が来ます。FAQ化しておくだけで問い合わせ数がぐっと減ります。ChatGPTを使えば、FAQ作成そのものも30分以内で終わります。
プロンプト⑥ 有給休暇取得フローの案内文作成
社員向けに、有給休暇の申請フローを説明する案内文を作成してください。
【条件】
- 申請はワークフローシステム上で行う
- 取得希望日の3営業日前までに申請が必要
- 承認者は直属の上長
- 半日単位での取得も可能
初めて有給を取る新入社員でもわかるように、丁寧な言葉で説明してください。
💬 使ってみた感想:新入社員の入社時期に毎年同じものを作っていたのが、これで一気に楽になりました。条件を変えれば他の制度案内にも転用できます。
【採用】求人票・面接質問リスト・不採用通知
プロンプト⑦ 求人票の下書き作成
以下の条件で、採用サイト掲載用の求人票を作成してください。
【職種】総務スタッフ
【雇用形態】正社員
【主な業務】庶務全般・社内イベント運営・備品管理・社員対応
【応募条件】総務または事務経験2年以上・Excelの基本操作ができること
【アピールポイント】残業少なめ・リモートワーク可(週2日)・資格取得支援あり
読んだ応募者が「ここで働いてみたい」と感じるような、温かみのある文体で書いてください。
💬 使ってみた感想:採用担当が書いた求人票って、無意識に「会社目線」になりがちです。ChatGPTに書かせると、自然と求職者目線の言葉遣いになるのが面白いところです。
プロンプト⑧ 不採用通知文の作成
書類選考で不採用となった応募者への通知メールを作成してください。
【条件】
- 失礼なく、かつ読んだ相手が傷つかない配慮がある文体
- 不採用の理由は明記しない(一般的な表現でよい)
- 感謝の言葉と今後のご活躍を祈る一言を含める
- 200字以内
💬 使ってみた感想:不採用通知は毎回どう書けばいいか迷います。ChatGPTが出してくる文章は、バランスが良くて使いやすい。少し手を加えるだけでそのまま使えます。
【書類管理】規程チェック・文書整備支援
プロンプト⑨ 社内規程の読みやすさチェック
以下の社内規程の条文を読み、内容が伝わりにくい箇所や表現が曖昧な箇所を指摘してください。改善案も合わせて提案してください。
【規程文】
〔ここに条文を貼り付け〕
💬 使ってみた感想:自分で書いた文章って、読み返しても「おかしい」と気づきにくいものです。ChatGPTに第三者として読んでもらう、という使い方が意外に有効でした。
プロンプト⑩ 稟議書の文章チェック・整形
以下の稟議書の草案を読んで、役員・管理職が承認しやすいように文章を整えてください。
【チェック観点】
- 目的・金額・効果が明確に書かれているか
- 承認者が読んで判断できる情報が揃っているか
- 無駄な表現や曖昧な言い回しを整理する
【草案】
〔ここに稟議書の文章を貼り付け〕
💬 使ってみた感想:現場担当者が書いた稟議書って、熱量はあるけど読みにくいことが多い。ChatGPTに整えてもらうと、決裁者が読みやすい構成に整理されます。
【企画】社内イベント・研修の企画たたき台
プロンプト⑪ 社内イベントの企画たたき台作成
以下の条件で、社内交流イベントの企画たたき台を作成してください。
【条件】
- 参加人数:30〜50名
- 時間:2時間程度(就業時間内)
- 目的:部門間の交流促進・新入社員の緊張をほぐす
- 予算:1人あたり2,000円以内
- 開催場所:社内の多目的室
アイデアを3案、それぞれ概要・進行タイムライン・用意するものを含めて提案してください。
💬 使ってみた感想:毎年「何をやろうか…」と悩んでいたイベント企画が、3分で3案出てきます。全部採用する必要はなく、「この要素とあの要素を組み合わせよう」という発想の起点として非常に便利です。
プロンプト⑫ 新入社員研修の内容案作成
以下の条件で、新入社員研修の1日プログラム案を作成してください。
【条件】
- 対象:2026年4月入社の新入社員(10名)
- 時間:9:00〜17:00(1時間の昼休憩含む)
- 目的:会社のルール・基本業務フロー・総務への問い合わせ方法を理解させる
- 担当:総務部員2名
各セッションの目的・内容・時間配分を表形式で出力してください。
💬 使ってみた感想:毎年4月に作るプログラムが、前年のものをコピペして修正するだけになっていました。ChatGPTに一から作らせると、「この視点、今まで抜けていたな」という気づきがあって、研修の質が上がった気がします。
【問い合わせ対応】メール返信・クレーム対応・アンケート設計
プロンプト⑬ 社員からの問い合わせメール返信文の作成
以下の社員からの問い合わせメールに対して、総務担当として返信メールを作成してください。
【問い合わせ内容】
「来月から育児休業を取得したいのですが、どのような手続きが必要でしょうか。また、給付金はどれくらいもらえますか?」
【回答方針】
- 手続きについては「申請書類を総務まで取りに来てほしい」という案内
- 給付金の金額は「個人の給与によって異なるため、ハローワークで確認」と案内
- 温かみのある文体で、申請者が安心できるように
200〜300字でまとめてください。
💬 使ってみた感想:育休・介護休業など、センシティブな問い合わせへの返信はいつも言葉を選んでしまいます。ChatGPTが出す文章は適度に丁寧で、感情的なトゲがなくて使いやすいです。
プロンプト⑭ クレーム対応メールの文章チェック
以下のメールを読んで、火に油を注がないか・不要な謝罪がないか・伝えるべき内容が明確かの3点を評価し、改善案を提案してください。
【メール草案】
〔ここに草案を貼り付け〕
💬 使ってみた感想:感情的になっているときに書いたメールを、冷静に評価してもらう「壁打ち相手」として重宝しています。送信前に一度ChatGPTに読ませる習慣ができました。
プロンプト⑮ 全社向けアンケートの設問設計
以下のテーマで、社員向けアンケートの設問を10問作成してください。
【テーマ】社内の働き方・職場環境についての満足度調査
【対象】全社員(100名程度)
【目的】来期の制度改定・環境整備の参考にする
設問は「5段階評価」「選択式」「自由記述」を組み合わせて作成し、回答しやすい順序に並べてください。
💬 使ってみた感想:アンケートの設問って、作るのが地味に難しい。「この聞き方だと偏った回答が来そう…」という心配もChatGPTが指摘してくれるので、設計の精度が上がります。
📝 もっと多くのプロンプトが必要な方へ
上記15選は「とりあえず今日試してほしい」基本的なものを厳選しました。実務でそのまま使える業務別プロンプト50選+状況別テンプレート集は、Noteにまとめています。
この記事で紹介した15選の続き——業務別プロンプト50選以上をNoteにまとめる予定です。公開次第こちらの記事でもご案内します。まずは今日、この記事のプロンプトを1つ試してみてください。
実際に使ってみてわかった「失敗パターン」と改善のコツ
漠然とした指示はNG。状況・目的・制約を明記する
「社内連絡文を作って」と入力しても、当たり障りのない文章しか出てきません。
うまくいかないプロンプトに共通するのは、「誰が」「何のために」「どんな条件で」が抜けていることです。
- ❌ 「社内向けお知らせを作って」
- ✅ 「空調メンテのため〇月〇日に設備停止。全社員向けに、丁寧かつ簡潔に300字で」
情報を絞るほど、使える出力が返ってきます。プロンプトは「短く簡潔に」より「必要な情報を全部入れる」方が正解です。
一発で完璧を求めない。対話で育てていく
最初の出力が「なんか違う…」と思っても、そこで諦めないでください。
ChatGPTは会話の流れを引き継げます。「もう少しやわらかいトーンに」「3段落目をもっと短く」「最後に感謝の一言を追加して」と追加指示するだけで、精度が上がっていきます。
私が実感したのは、「1発で完璧を求めない」という使い方に切り替えた瞬間、格段に使いやすくなったということです。下書きを出してもらって、あとは自分で調整する。そのくらいの気持ちで使うのが、ストレスなく続けるコツです。
ChatGPTを社内に広げるための最初の一歩
まず自分が週3回使う習慣から
いきなり「チームで使おう」と言っても、自分が使いこなせていないと説明できません。まずは自分が1〜2週間、週3回以上使ってみることが先決です。
「今日の業務でどれか1つChatGPTに任せてみる」という小さな目標から始めると、自然と使える場面が見えてきます。
チームへの共有は「プロンプトテンプレート化」が近道
自分がうまく使えるようになったら、次は「使えたプロンプトをテンプレートにして共有する」だけで十分です。
「ChatGPTって何に使えばいいか」という問いに、具体例で答えられるようになれば、チームへの展開はそれほど難しくありません。「このプロンプトをそのままコピーして試してみて」と言えるだけで、全然違います。
さらに効率化したい人へ(次のステップ)
PythonでChatGPT APIを使ったツール自作へ
ChatGPTを手動で使うことに慣れてきたら、次は「自動化」の世界があります。たとえば、毎朝届くメールをまとめて要約させたり、Excelのデータを読み込んで分析コメントを自動生成したり。
PythonでChatGPTのAPIを使えば、こうした処理をボタン一発で動かせるようになります。「プログラミング未経験だからムリ…」と感じる方も、思ったより早く動くものが作れます。
👉 Python + ChatGPTで業務ツールを自作する方法【総務部で活用した経験】
もっとたくさんのプロンプトで効率化したい方へ
この記事では15選を紹介しましたが、「もっと網羅的なテンプレートがほしい」「自分の業務にそのまま使えるフォーマットがほしい」という方向けに、Noteで業務別プロンプト集を公開予定です。
この記事で紹介した15選の続き——業務別プロンプト50選以上をNoteにまとめる予定です。公開次第こちらの記事でもご案内します。まずは今日、この記事のプロンプトを1つ試してみてください。
また、総務DX全体の進め方に興味がある方はこちらもどうぞ。
👉 総務DX、何から始める?今日できる最初の一手と失敗しない進め方
👉 総務の業務改善アイデア10選|予算ゼロ・今日から使えるものだけ選んだ
まとめ
今回紹介した15のプロンプトを、改めて一覧にまとめます。
- 社内向けお知らせ文の作成
- 既存の連絡文のトーン変換
- 会議アジェンダの作成
- 議事メモを議事録に整形
- 就業規則Q&Aの作成
- 有給休暇取得フローの案内文
- 求人票の下書き作成
- 不採用通知文の作成
- 社内規程の読みやすさチェック
- 稟議書の文章チェック・整形
- 社内イベントの企画たたき台
- 新入社員研修の内容案作成
- 社員問い合わせへの返信文
- クレーム対応メールのチェック
- 全社向けアンケートの設問設計
総務の仕事は「誰でもできる」と言われがちですが、実際には文章力・判断力・調整力が必要な高度な仕事です。ChatGPTはその「文章を作る時間」を大幅に短縮してくれるツールです。
まずは今日、1つだけ試してみてください。「意外と使える」と感じたら、それが始まりです。