総務部で出世できる?10年総務が答える「昇進できる人」の条件と行動戦略

総務って、出世できるのかなぁ?
将来どうなるんだろう?

営業の同期はどんどん実績を積んでいる。
技術職の友人は「あのプロジェクトを立ち上げた」と語っている。
でも総務の自分は、備品の発注と会議室の予約と…。

これで本当に将来はあるのか

私は総務部に新卒で配属され色々経験して11年目です。
正直に言えば、最初の3年は「自分の仕事、誰でもできるのでは?」と感じていました。

でも今振り返ると、総務で出世できるかどうかは「会社選び」と「動き方」で決まると言えます。

この記事では、その会社選びを具体的にお伝えします。

  • 出世できる会社の見極め方
  • 実際の昇進パターン
  • 数字が出ない仕事での実績の作り方

読み終えたあと、「次に自分が何をすべきか」が明確になるはずです。

結論:総務部の出世は「会社選び」と「動き方」

安心してください。
総務部でも出世は十分に可能です。

ただし、2つの条件があります。

  • 条件1:総務を正当に評価する会社にいること
  • 条件2:「数字で見える実績」を意識して積んでいること

この2つが揃えば、課長・部長クラスへの昇進は現実的です。

一方、どちらかでも満たしていない会社では消耗するだけです。

「頑張っているのに評価されない…」という状態は、多くの場合「努力の方向が間違っている」のではなく「戦う場所が合っていない」問題です。能力ではないです。

置かれた場所で咲きなさい。は通用しません。
砂漠で花は咲きません。

だからまず、「今の会社が出世できる会社かどうか」を冷静に見極めることが、最初のステップになります。

「出世コース、窓際」──どちらも正しい理由

「総務は出世コース」という説と「窓際族の集まり」という説、実はどちらも本当のことを言っています。それは、会社によってまったく違うからです。

大企業では総務部長が役員に上がるケースもあります。
一方で中小企業では「誰でもできる雑用係」として扱われているところも存在します。

大切なのは「どちらが正しいか」の議論ではなく、「自分がいる会社はどちらなのか」を知ることです。

出世できる会社かどうか──5つのチェックポイント

以下の5点を確認してください。

  1. 役員・部長クラスに総務出身者がいるか
  2. 総務が非定型業務(プロジェクト・提案)を担当しているか
  3. 総務部が独立した部署として存在しているか
  4. 総務担当者が正社員中心で構成されているか
  5. 総務部に予算権限・決裁ラインがあるか

3つ以上当てはまれば「出世できる可能性のある会社」と判断していいと思います。
一つひとつ詳しく見ていきます。

チェック①:役員・部長クラスに総務出身者がいるか

最も確実な指標です。

会社の役員に「総務・人事・経理経験者がいるかどうか。」です。

あれば、その会社では総務が出世コースに入る実績があるサインです。
なければ出世が見込めない、と考えて良いです。

私が在籍した会社では、当時の総務部長が会社の中心的人物でした。そういった前例があることで「総務でも上を目指せる」という空気が社内に生まれていたのだと、今では思います。

チェック②:非定型業務を任されているか

「定型業務だけの総務」は出世しにくい。
これは厳しいですが、現実です。

備品発注、来客対応、会議室予約…これらは大事な仕事ですが、「誰でもできる」という性質を持ちます。

評価される会社の総務は、これらに加えてプロジェクト型の仕事を担当しています。

  • 社内制度の見直し(就業規則改定・福利厚生の再設計)
  • オフィス移転・リノベーションの主担当
  • セキュリティ・BCP対応の立案と推進
  • 新入社員向けオリエンテーションの設計

こうした「会社を前に動かす仕事」が総務に回ってきているかどうか。

今の職場でプロジェクト型の仕事が来ていますか?来ていないなら、手を挙げることが必要になります。

チェック③〜⑤:組織としての位置付け

残りの3つは少し判断が難しいですが、確認しておく価値があります。

③独立した総務部の有無:「管理部」という名前で総務・経理・人事が全員同じマネージャー配下にある会社は、総務として昇進できるポジション数が少ない傾向があります。総務部として独立していることが、昇進候補のポジションの多さにつながります。

④正社員中心かどうか:総務スタッフの多くが派遣やパートタイムという会社は、正社員の総務担当に高い専門性を期待していないケースがあります。正社員比率が高ければ、それだけ専門人材として評価される余地があります。

⑤予算権限があるか:総務部が予算執行の決裁ラインを持っているかどうかは、社内での信用度を示します。「総務が決めていい予算の上限」が一定額ある会社は、それだけ総務を信頼しているということです。

総務部での昇進パターン

出世できる会社と確認できたとして、では実際にどんなキャリアパスがあるのでしょうか。私が見てきた・経験したパターンを3つ紹介します。

パターン①:総務スペシャリストとして社内昇進

最もオーソドックスなルートです。

総務担当 → 主任・係長 → 課長 → 部長 → 管理本部長

このルートで評価されるのは「業務範囲の広さ × 社内での信頼」です。採用・労務・法務・総務を横断的に担当でき、「この人がいれば会社の土台は大丈夫」と思われる存在感が求められます。

パターン②:DX・IT推進担当として評価される

最近増えてきているルートで、
私が一番おすすめしているキャリアパスです。

私はこのルートです。

  • 総務 × AI
  • 総務 × プログラミング

などで社内SEや、業務改善担当としてのポジションです。

私自身、独学でPythonを習得し、通知メールの自動化ツールやFAQシステムを作ったことで社内SE兼務になりました。「業務がわかってコードも書けるバックオフィス担当」は希少ですね。転職市場でも評価が高い。

このルートの最大の強みは、「掛け算」でキャリア価値が一気に上がることです。総務単体では差別化しにくいですが、「総務 × IT」の組み合わせはほとんど競合がいません。

パターン③:関連部門(人事・法務・経営企画)へ異動して昇進

総務の仕事は人事・法務・経理・経営企画と密接につながっています。
これを活かして、関連部門に異動してそこで昇進するルートもあります。

特に採用・労務経験を持つ総務は、人事スペシャリストとして転換しやすく、HR担当の管理職も十分に狙えます。

「総務 × コンプライアンス・法務」の掛け合わせは、管理部門全体を束ねる管理職候補として評価されることが多い。

一つの部署に縛られず、「自分の経験を活かせる隣接領域」を意識してキャリアを設計するのも有力な戦略です。

数字が出ない仕事で「評価される実績」の作り方

総務の永遠の悩みがこれです。
「頑張っているのに、何を実績にすればいいかわからない」。

営業なら「売上1000万達成」
エンジニアなら「システムを作った」・・・と言えますが、

総務は減点方式です。

会議室をどれだけ丁寧に管理しても数字が残りません。
備品が途切れないように管理しても普通で終わります。

だからこそ、意識的に「数字を作る」必要があります。

私も総務ですから難しさがわかりますが、
具体例を挙げていきますね。

最初のステップ:「削減系」の実績は作りやすい

最も作りやすいのは「削減系」の実績です。

  • 問い合わせ対応件数:月30件 → 12件に削減(FAQ整備)
  • 入社手続きの所要時間:3時間 → 1時間に短縮(フロー見直し)
  • 通知メール作成時間:2時間 → 15分(AIツール活用)
  • 備品管理の棚卸し工数:年2回×4時間 → 年2回×1時間(システム化)

これらは今すぐ始められます。

まず「今の業務にかかっている時間」を記録することから。改善前の数字があれば、改善後との比較が実績になります。

これを自分の時給で換算するとコスト削減実績になります。

Nextステップ:「プロジェクト」を持つ

さらに評価が高いのは、「誰かに言われてやった」ではなく「自分が提案して動かした」仕事です。

総務でも意外とありますよ。

  • 「社内規程が古くなっているので見直しを提案し改定した」
  • 「セキュリティポリシーの新設を主導した」
  • 「備品管理のExcel台帳を自作ツールに置き換えて運用コストを削減した」

「私が動かしました」という事実が残るプロジェクトは、昇進面談で語れるストーリーになります。「やらされた仕事」と「自分が作った仕事」では、評価のされ方が段違いです。

手前味噌ですが、私が自作システムを作る前と後では、社内の私に対する接し方がガラッと変わりました。周りの評判で手のひらを返す人いますよ。

AIツールで効率化した実績を積む

最近、強くおすすめしているのがこれです。

ChatGPTやPythonを使った業務効率化の実績を作ること。
これは「IT知識ゼロ」でも始められます。

たとえば、ChatGPTで通知メールの草案を作るだけでも、作成時間が大きく短縮されます。Excelマクロで定型集計を自動化すれば、毎月5時間の手作業がゼロになる。

こういった取り組みは、「会社の変化についていける総務担当」というポジションを作ります。

意外とAIを活用できてる人はまだまだいません。
私の会社は200名規模ですが活用できてる人は、ほんの一握りです。

特に、DXに積極的な管理部門担当は、
今の職場では絶対的に不足しているリソースです。

参考記事:AIで業務ツールを作る方法|コードが書けない人でも来週には完成する手順

出世を早める5つの行動習慣

出世するためにやることを増やすだけではなく、「どう動くか」を変えることが重要です。私が実際に効果があった行動習慣を5つ紹介します。

①上司・役員の「困りごと」を先回りして拾う

総務の強みは「会社全体が見える」ことです。

部門横断で関わる仕事をしているため、「あの部門とあの部門が連携できていない」「この情報が共有されていない」という問題点が他の誰よりもよく見えます。

この「課題の見える化」を上司に報告すること。
そして「私がやります」と手を挙げること。

これが総務から昇進していく人の共通行動です。

②資格・スキルで「専門性の根拠」を作る

人事評価で差がつく場面の一つが「社外でも通用するスキルを持っているかどうか」です。

たとえば、総務に関連する資格では以下があります。

  • 社会保険労務士:最難関だが昇進への直結度が最も高い
  • 衛生管理者:必置資格で社内での希少価値が高い
  • 日商簿記2級:経理兼務の可能性が広がる
  • ITパスポート、基本情報技術者:DX担当ポジション狙いに有効

資格そのものより、「学び続けている人間だ」というシグナルが評価される側面もありますね。

「何か資格とってみようかな?」という人向けに「総務部で本当に役立つ資格3選」をまとめています。スクールではなくテキストで気軽に始められるモノなので、悩んでる方に良いと思います。

③他部署の課題を引き取る

「それは総務の仕事じゃない」と言いたくなりますが、出世していく人ほど、「それ、私がやります」と手を挙げる場面が多いです。

他部署の課題を引き取って解決すると、社内に「あの総務担当は頼りになる」という評判が広まり、役員の耳にも届くようになります。

元々、部署を横断的にみる部署ですから、
意外と得意だったりします。

注意点は、受け取りすぎて本来業務が回らなくなることです。「自分の評価が上がる投資」として判断しながら引き受けることが大事です。

④「仕組み化」で属人性をなくす

自分しかできない仕事を作ることで安定はしますが、昇進しにくくなります。なぜなら「あの人がいないと回らない」状態では、異動も昇進もさせにくいからです。

Amazonでも、成績を評価するのではなく、
誰でもできる「再現性」のある成果を重視しています。

業務をマニュアル化・フロー化して、「自分がいなくても回る仕組み」を作ること。これが「管理職として組織を考えられる人材」の証明になります。

⑤小さなAI活用の実績を積み上げる

AI活用は狙い目です。
なぜなら、使いこなせる人が少ないからです。

ChatGPTに質問してる人は多いですが、
「活用」してる人はほとんどいません。

つまり、ググる代わりではなく、
AIに答えを出させたり、業務を削減するアイデアを出してもらったりです。

「ChatGPTで通知文を作っている」程度でも「この人はデジタル活用に積極的だ」という印象が変わります。小さな取り組みでいいので、記録しておくことが大事です。

「けど、何にAIを使ったらいいの?」って人は「総務がChatGPTで効率化できる業務10選」を参考にしてみてください。活用できるアイデアがあるはずです。

「この会社では無理」と感じたら──転職で環境を変える

わりと前向きなことを書いてきましたが、
確認した結果、「やっぱりうちの会社では総務の出世は難しそう…」と感じた方。

正直、転職の機会かもしれません。
少なくとも「出世できる?」と悩んでるあなた上昇思考があるんだと思います。

「転職する機会逃したな…」「あのとき行動しておけばよかったな」っていう30・40代は正直多いです。

転職という選択肢は、決して「逃げ」ではありません。戦う場所を変えることは、キャリア戦略として正しい判断です。今、市場価値の高いうちに行動しておくことを強く勧めます。

総務経験は転職市場でどう評価されるか

総務経験者は、転職市場でも一定の需要があります。
特に評価されやすいのは以下のパターンです。

  • 採用・労務経験のある総務 → 人事系への転換
  • 幅広い業務経験のある総務 → 中小企業のマネージャー
  • DX・IT活用の実績がある総務 → バックオフィスDX担当・社内SE兼務

「自分の実績を数字で語れる状態」にしてから転職活動をすると、選択肢が大きく広がります。これも今日から準備できることです。

まず「市場価値を知る」だけでも価値がある

今すぐ転職するつもりがなくても、転職エージェントに一度相談することで「今の自分のキャリアが市場でどう評価されるか」が初めてわかります。

「思ったより評価されていた」という人も、「やっぱり今の会社で頑張ろう」という人もいます。相談だけなら無料なので、使わない理由がありません。

  • 良い求人があれば転職
  • なければ自分の価値を高める

これで良いと思います。

MS-Japanのような管理部門特化エージェントは、総務の経験がどう評価されるかを熟知しているため、一般型よりも具体的な話ができます。

まとめ

この記事でお伝えしたことをまとめます。

  • 総務部でも出世はできる。ただし「出世できる会社かどうか」の見極めが先
  • 5つのチェックポイントで今の会社を評価する
  • 昇進パターンは①スペシャリスト昇進 ②DX担当 ③関連部門異動 の3つ
  • 「削減系実績」「提案主導の実績」「AI活用実績」で数字のない仕事でも証明できる
  • 5つの行動習慣を今日から意識的に実践する
  • 今の会社で限界を感じたら、転職で環境を変えることも正当な戦略

「総務って出世できないんだろうな…」と諦めていた人が、「動き方を変えれば違うかもしれない」と感じてもらえたなら、この記事の目的は達成です。

まず今日できること:5つのチェックポイントで今の会社を確認してみてください。

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