
Pythonって便利そうだけど、理系じゃないし難しそう…」
そう思いながら、エクセル転記、報告書作成を毎月手動でやり続けていませんか?私もそうでした。
きっかけは「エクセル転記をVBAで自動化」「不正データ検出システムをつくった」「問い合わせをGoogleフォームに変えた」という小さな自動化を積み重ねていくうちに、「もっとできることがあるんじゃないか」と思ったことです。
そしてPythonを始めてみたら、エンジニアにはなれなくても、製造現場の仕事は確実に楽になりました。
いまではChatGPTやCopilotが助けてくれるので、
Pythonを使えるようになればかなり応用が聞きます。それにコストは無料〜数千円で済むことがほとんどです。
この記事は、プログラミング経験ゼロの製造現場の人が
「Pythonを業務で使えるようになるまでの最短ルート」を書いています。
まずは、よくある「Hello World」より先に、「フォルダのファイル一覧をExcelに書き出す」という体験をゴールに設定します。
原則、社内のシステム担当者に許可をもらって着手してください。お伺いができなくてもまずやってみても良いかもです。ただし、コード内容には事故にならないよう万全を期していますが、もし不具合が生じても責任をおいかねますのでその点はご了承ください。
筆者経歴:総務、生産管理として働きながらプログラミングを独学で学び、社内Webアプリを開発して運用中です。
結論、Microsoft Storeからインストールが一番ラク
Pythonをインストールする方法は3種あります。※中身は全部同じ。
- Microsoft Storeからインストール
- python.org からのインストール
- コマンドでインストール
会社でPythonを始めるなら、Microsoft Store版が一番ラク。
管理者権限不要・5分でインストール完了です。
会社のPCへのインストール方法(管理者権限あり・なし両対応)
Microsoft Store版(5分|管理者権限不要)
会社のPCでよくある問題が「管理者権限がなくてインストールできない」です。私もいまは社内SEですから勝手にインストールされると困る部分はわかります。
ネットの記事のほとんどは python.org からのインストーラーDLを紹介していますが、これは管理者権限が必要なケースがあります。
Microsoft Store版ならその問題が解決します。
手順は4ステップだけです。
- スタートメニューで「Microsoft Store」を検索して起動
- 検索欄に「Python」と入力
- 「Python 3.x」(最新版)を選んで「入手」をクリック
- インストール完了後、コマンドプロンプトで確認
直リンクでも可:https://apps.microsoft.com/detail/9pnrbtzxmb4z?hl=ja-JP&gl=JP
上記4ステップが完了したら、コマンドプロンプトを開いて、以下コマンドを入力してください。
python --version
Python 3.x.x と表示されれば成功です。所要時間5分以内。管理者権限不要。
必要なライブラリを追加でインストールする
ライブラリとは「拡張機能」のことです。
基本無料です。
Pythonの標準機能だけでも動きますが、業務で使うなら以下のライブラリを入れておくと便利です。
| ライブラリ | できること |
|---|---|
| pandas | ExcelやCSVファイルの読み書き・集計 |
| openpyxl | Excelファイルの作成・編集 |
| python-dotenv | パスワードを安全に管理する |
今回ご紹介するのは有名なライブラリなのでセキュリティも心配ありません。コマンドプロンプトを開いて、以下1行ずつ実行してください。
pip install pandas
pip install openpyxl
pip install python-dotenv
これで業務に使う準備が整いました。
最初のステップ「ファイル一覧のExcel書き出し」
なぜHello Worldより実務的な体験をすすめるか
「Hello World」を出力しても、正直なところ達成感がありません。「で、これが何の役に立つの?」となりがちです。
最初の体験として、「フォルダ内のファイル一覧をExcelに書き出す」 をすすめます。
これは総務でよくある作業——「このフォルダの書類を全部リストアップして」——をPythonに置き換えるものです。
コード(コピペOK)
手順は以下4つです。
- 下記コードをコピペし、メモ帳に貼り付け
- メモ帳を
list_files.pyという名前で保存 list_files.pyをデスクトップに移動- コマンドプロンプトでコマンド実行
「対象フォルダ名」だけ、自分のデスクトップ上にあるフォルダ名に変更してください。例:TARGET_FOLDER_NAME = “請求書”
※list_files.py にファイル名を変更する時「拡張子を変更すると、ファイルが使えなくなる可能性があります。」が出ますが
→「はい」で大丈夫です。
コード用コード
import os
import openpyxl
from datetime import datetime
# =========================
# ここだけ変更してください
# =========================
TARGET_FOLDER_NAME = "対象フォルダ名" # 例: "請求書" / "写真" / "sample"
# 自分のPCのユーザー名を自動取得
user_name = os.environ.get("USERNAME")
# デスクトップ上の対象フォルダを指定
desktop_path = os.path.join("C:\\Users", user_name, "Desktop")
folder_path = os.path.join(desktop_path, TARGET_FOLDER_NAME)
# ファイル存在チェック
if not os.path.exists(folder_path):
print(f"指定フォルダが見つかりません: {folder_path}")
exit()
# フォルダ内のファイル一覧を取得
files = os.listdir(folder_path)
# Excelファイルを作成
wb = openpyxl.Workbook()
ws = wb.active
ws.title = 'ファイル一覧'
# ヘッダーを書く
ws['A1'] = 'ファイル名'
ws['B1'] = '種類'
ws['C1'] = 'フルパス'
# ファイル一覧を書き込む
for i, filename in enumerate(files, start=2):
full_path = os.path.join(folder_path, filename)
extension = os.path.splitext(filename)[1]
ws[f'A{i}'] = filename
ws[f'B{i}'] = extension
ws[f'C{i}'] = full_path
# Excelを保存
output_name = f'ファイル一覧_{datetime.now().strftime("%Y%m%d")}.xlsx'
wb.save(output_name)
print(f'{output_name} を作成しました({len(files)}件)')
例えばデスクトップにある「請求書」フォルダ内のファイル名を取得したい場合は以下のようにします。
デスクトップ
├─ file_list.py
└─ 請求書
TARGET_FOLDER_NAME = “請求書”
コマンドプロンプトで実行方法
- デスクトップの何もないところで Shift + 右クリック
- 「ターミナルで開く」 を押す
python list_files.pyと入力してEnter- 「ファイル一覧.xlsx を作成しました」と表示されれば成功
指定したフォルダのファイル一覧がExcelに出力されます。
これがPythonでできる最初の「業務自動化」です。
よくある質問
Q. コマンドプロンプトが怖い。使ったことがありません。
大丈夫です。デスクトップの何もないところで Shift + 右クリックして起動し、python list_files.py と入力してEnterを押すだけです。コマンドプロンプトを使うのはその2操作だけ。
Q. python --version を実行したら「python は内部コマンドとして認識されていません」と出ました。
Microsoft Store版で再インストールしてみてください。または python.org 版でインストールした場合、「Add Python to PATH」のチェックが入っていなかった可能性があります。アンインストールして、チェックを入れ直してインストールし直してください。
Q. 会社のセキュリティソフトがブロックして実行できません。
自分では対応不可です。会社のIT部門かシステム管理者に「PythonスクリプトをWindowsで実行したいのですが許可をもらえますか」と相談してみてください。多くの場合、なにがしたいか、を説明すれば許可が得られます。
Q. 保存したPythonファイルをダブルクリックしたら一瞬で画面が消えました。
実行はされていますが、完了と同時にウィンドウが閉じてしまいます。コマンドプロンプトから実行する方法か、最後に input('Enterキーを押すと終了します') を追加してください。
Q. pip install pandas が失敗します。
コマンドプロンプトを右クリックで「管理者として実行」で開き直してから実行してみてください。または python -m pip install pandas と書き換えてみてください。
現場社員がPythonを始めるのは、エンジニアになるためじゃない
無事に動作できましたでしょうか?
以下は、これからどう活用していくか?という話です。
「業務を楽にしたい」だけで十分
「Pythonを学ぶ」というと、なんとなくエンジニア転職やAI開発のイメージがあります。でも現場社員がPythonを始める理由は、もっとシンプルでいい。
- 毎月の勤怠集計に2時間かかっている
- 毎日エクセル転記、加工している
- 定型メールを毎回コピペして送っている
これを「自動化したい」。
それだけで十分です。
私がPythonを始めたのも、「問い合わせと生産管理の照合が地獄だったから」です。エンジニアになりたかったわけじゃない。ただ、あの作業から解放されたかったという想いからです。
現場社員がPythonを使うと変わること
実際にPythonを使い始めてから変わったことを3つ挙げます。※総務、工程管理の幅広い経験から。
- 毎月の繰り返し作業が数秒になる:ファイル整理・集計・メール送信など
- この作業、自動化できないか?という思考になる:業務を見る目が変わる
- 「IT推進できる人材」として評価される:キャリアの選択肢が広がる
【応用記事】業務を自動化するPythonシリーズ
インストールできたら、次は実際の業務に使ってみましょう。
以下の順番で読むのがおすすめです。
| ステップ | 記事 | できること |
|---|---|---|
| Step 1 | Pythonでメール自動送信 | 日報・リマインドメールを自動送信する |
| Step 2 | 勤怠チェックを自動化 | 打刻漏れ検知・36協定超過者を自動抽出 |
| Step 3 | 総務の自動化事例と失敗談 | 実際に使える自動化パターンを把握する |
この3記事を実践すれば、月5〜10時間分の作業が自動化できます。
Pythonが使える非エンジニアのキャリア価値

「業務効率化できる」は転職市場で希少
「Pythonで業務自動化した経験がある現場担当者」は、転職市場ではかなりの希少価値があります。
スキルの掛け算ですね。
これは理系でプログラム畑を歩いてきた方には無い希少価値です。
いまや求人の多くが「ExcelやITツールに詳しい方優遇」「DX推進経験歓迎」という条件を追加しています。Pythonが使えるというだけで頭一つ抜けられます。
私は採用担当をしていますが、システムエンジニア以外で「Python使ったことがある」という人に出会ったことがありません。
総務✖️プログラミング= DX推進担当・情シス
PythonとExcelを組み合わせた業務自動化経験は、そのままDX推進担当・情報システム部門・業務改善専任職へのキャリアチェンジに使えます。
「エンジニアほどではないが、業務を自動化できる人材」という立ち位置は、技術と業務の両方がわかる希少なポジションです。
製造現場✖️プログラミング= システム開発
現場の経験は本当に貴重です。
システム開発の多くは、アプリを作れるけどニーズに合った機能がつくれず難儀します。私は社内SEしていますが、ITベンダーは「技術的には作れるけど本当に最適解か?」で詰まります。
これは現場の人間しか判断できない部分です。
エンジニアへのキャリアチェンジが可能
Python自体、AIが得意なこともあり非常に需要が高いです。
Pythonは今回のように気軽に実行ができますし、Webアプリケーションも作れるくらい非常に汎用性の高い言語です。もし、
「将来のために、プログラミングの技術を学んでおいたら良いのでは無いか。でもプログラマーになるにはハードルが高いからどうかな・・・。」
というふうに考えている人は、ぜひ社内業務で試してほしいです。
なので、すぐ転職するのではなく、目の前の業務をどう効率化するかに重きをおいてプログラミンを学習し、その実績と獲得した技術で転職が一番自分を高める近道です。
皆さんもぜひ、今のスキルにプログラミングを重ね合わせてみてください。
まとめ
- インストール: Microsoft Store版
- 最初の達成体験: フォルダ内のファイル一覧をExcelに書き出す
- 次のステップ:ファイルの名前をリネームする(ファイル名変更)
- 次のステップ: エクセルデータ編集へ発展
「プログラミング経験ゼロ」「エンジニアになるつもりはない」でも、Pythonは始められます。目標は「エンジニアになること」ではなく「目先5分の作業を自動化すること」。それだけで十分な理由です。
次のステップを考える人へ
Pythonを業務で使えるようになると、「次どうするか」を考え始める方が多いです。
「この経験を転職でどう活かすか」気になる方はこちらもどうぞ。
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この記事は、総務部での実務経験をもとに執筆しています。プログラミング独学でPythonを業務に活用してきた経験から、非エンジニアでも使える形で書いています。