「Pythonって難しそう…総務の自分には無理かも」
「プログラミングは理系の人間がやるもの、自分には難しい」
毎月同じ名簿整理、同じ集計作業、同じファイル振り分け。「これって自動化できないの?」と思いながらも、どこから手をつければいいかわからない状態ではないでしょうか。
私の話をすると、総務、生産計画と渡り歩き10年を超えていても、最初はまったく同じ状態でした。「コードを書く」ことへの謎の恐怖感があって、1年以上ずっと「いつか勉強しよう」と先送りにして複雑なエクセルに苦しんでいました。
でも実際に始めてみたら、最初の30分で動いたんですよね。しかも今は「コードを書く」ことはほとんどしていません。
この記事では、総務担当がPythonを動かし、来週月曜日から実務で使えるようになる最速手順を解説します。環境構築は不要です。コードを書かなくてもOKです。
この記事でわかること:
- 環境構築ゼロで今日から始める方法(Google Colab)
- コードを書かずに使いこなすChatGPT活用法
- 総務実務で最初に動かすべきコード5選
- 1週間でPythonを業務に組み込む具体的ロードマップ
総務担当がPythonを使うべき3つの理由
「Pythonって本当に総務で使えるの?」と思っているなら、まずその疑問を解消しましょう。使うべき理由は3つです。
- 総務業務は「繰り返し」の塊
- エンジニアに頼まなくても自分で動かせるから気が楽
- ChatGPTで「コードを書かなくていい」時代になったから
それぞれ詳しくみていきましょう。
① 総務業務は「繰り返し」の塊だから
毎月同じフォーマットの社内通知、毎週同じ書式のファイル整理、毎回同じ操作のExcel集計。これが繰り返しの塊でなくて何でしょうか。
Pythonはこういった「繰り返し処理」が最も得意なのです。一度動くコードを作ってしまえば、あとはボタン一発で終わります。私の場合、毎月3時間かかっていた社員名簿の重複チェックが5秒で終わるようになりました。
このまま毎月3時間を消費し続けるのか、それとも今週末の2時間を使って永久に解放されるのか。答えは明らかではないでしょうか。
② エンジニアに頼まなくても自分で今日動かせるから
「このExcelを自動集計したい」とIT部門に依頼したとき、「後回しにされた」経験はありませんか?
これ、正直あるあるなのです。社内SEを経験している身からすると、IT部門には優先度の高いシステム案件が山積みで、総務の「ちょっとした自動化」は後回しになりがちです。コストメリットを考えてしまうのです。
「それくらいそっちで考えてよ。」と思っているエンジニアも一定数います。
そんな雰囲気を感じたら頼むのも面倒ですよね。
自分でできれば、今日動かせます。
③ ChatGPTで「コードを書かなくていい」時代になったから
ここが一番重要なのです。
今のPythonで必要な力は「コードを書く力」ではなく「何をさせたいか。」だけになりました。これは、プログラマーに無い視点なのです。
ChatGPTに「○○するPythonコードを書いて」と入力するだけで、動くコードが出てきます。
「CSVファイルを読み込んで、メールアドレスの重複がある行を表示するPythonコードをGoogle Colab向けに書いてください」
↓
ChatGPTが完全なコードを生成
↓
コピペして実行するだけ
「コードを学ぶ」のではなく「コードを使う」から始める。これが総務担当の正しい入口なのです。
環境構築は不要:Google Colabで今日から始める
Pythonを調べると必ず出てくる「環境構築」という壁。正直、ここで挫折する人がほとんどです。インストール作業をしようとすると、Pythonのバージョン問題やパスの設定でつまずいて、本題に入れないまま終わります。
まずGoogle Colabを使ってください。環境構築は後でいいのです。
Google Colabとは?
Googleが提供している、ブラウザだけで動くPython実行環境です。特徴は4つです。
- インストール不要
- 無料
- Googleアカウントがあれば今すぐ使える
- 保存はGoogleドライブに自動保存
要は「ブラウザを開くだけでPythonが動く環境」です。Excelを開くのと変わらない手間なのです。
最初の10分でやること
手順は4ステップです。
- ①
colab.research.google.comにアクセス - ② Googleアカウントでログイン
- ③ 「新しいノートブック」をクリック
- ④ 表示されたセルに以下を入力して
Ctrl+Enterを押す
print("Hello, 総務部!")
→ Hello, 総務部! と表示されれば成功です。
これだけでPythonの実行環境が整いました。インストール作業ゼロ、たった10分で動かせるのです。私が最初にこれをやったとき、「え、これだけ?」と拍子抜けしたのを覚えています。
コードを書かなくていい:ChatGPTとの組み合わせ方
基本の使い方
ChatGPTに「○○するPythonコードを書いて」と伝えるだけです。
コツは具体的な列名・ファイル名を入れることです。
> プロンプト例①:重複チェック
CSVファイルを読み込んで、「メールアドレス」列に重複がある行を表示するPythonコードをGoogle Colab向けに書いてください。日本語のコメントをつけてください。
> プロンプト例②:エラーが出たとき
以下のエラーが出ました。修正してください:
[エラーメッセージをそのままコピー]
> プロンプト例③:カスタマイズするとき
上のコードを「メールアドレス」列ではなく「社員番号」列で重複チェックするように修正してください。
これだけで「Pythonを理解する」必要はありません。エラーが出ても、そのままChatGPTに貼れば解決策が出てくるのです。
【総務実務5選】最初に動かすべきコード
以下の5つは、総務業務で特に使用頻度が高いコードです。1つずつ動かしていくのが一番早いのです。
- CSVの重複チェック
- CSVのデータクレンジング(表記ゆれ・空白除去)
- フォルダ内ファイルの一覧取得
- ファイルを種別ごとに自動振り分け
- Excelの複数シートを1つに縦結合
それぞれ詳しくみていきましょう。
① CSVの重複チェック
import pandas as pd
df = pd.read_csv("名簿.csv", encoding="utf-8-sig")
print(df[df.duplicated(subset=["メールアドレス"], keep=False)])
使うシーン:採用候補者名簿・社員名簿・取引先リストの重複確認
私のまわりでも、「名簿に同じ社員が2人いた」というミスを毎月やっている人がいます。これを使えば3行で解決するのです。
詳しい手順・業務シーン別コードはこちら→ Pythonで重複チェックを自動化する方法
② CSVのデータクレンジング(表記ゆれ・空白除去)
import pandas as pd
df = pd.read_csv("名簿.csv", encoding="utf-8-sig")
df = df.apply(lambda col: col.str.strip() if col.dtype == "object" else col)
print(df.head())
使うシーン:複数システムからエクスポートしたCSVを統合する前の前処理
「全角スペース混入」「姓名の間にスペースあり/なし」という微妙なゆれを、目視で修正し続けている方はいませんか。このコード1本で一括除去できます。
詳しい手順はこちら→ CSVのデータクレンジング方法
③ フォルダ内ファイルの一覧取得
from pathlib import Path
folder = Path(r"C:\業務\書類")
for f in folder.iterdir():
if f.is_file():
print(f.name)
使うシーン:スキャン後のファイル一覧をExcelに取り込む・命名規則の確認
「フォルダに何ファイルあるか確認してExcelに転記する」作業を毎回手動でやっている方は多いです。これで一瞬で終わります。
詳しい手順はこちら→ ファイル名を一括変更する方法5選
④ ファイルを種別ごとに自動振り分け
import shutil
from pathlib import Path
src = Path(r"C:\Users\user\Downloads")
for f in src.iterdir():
if f.suffix == ".pdf":
shutil.move(str(f), r"C:\業務\書類")
elif f.suffix == ".xlsx":
shutil.move(str(f), r"C:\業務\Excel")
使うシーン:ダウンロードフォルダ・スキャンフォルダの自動整理
「PDFとExcelが混在したフォルダから種別ごとに仕分ける」作業は、やればやるほど時間の無駄だと気づきます。一度このコードを動かせば、以降は自動なのです。
詳しい手順はこちら→ フォルダ整理を自動化する方法4選
⑤ Excelの複数シートを1つに縦結合
import pandas as pd
import glob
files = glob.glob(r"C:\業務\月次データ\*.xlsx")
df_list = [pd.read_excel(f) for f in files]
df_all = pd.concat(df_list, ignore_index=True)
df_all.to_excel("集計結果.xlsx", index=False)
print(f"{len(files)} ファイルを統合しました。")
使うシーン:各部署から集めたExcelを1つに統合する月次集計作業
「各部署のExcelを1つのシートにコピペする」月次作業を毎回やっている方は、これを動かしてみてください。私の場合、毎月2時間かかっていた作業が5秒になりました。
1週間ロードマップ:Day1〜Day7
「1週間でPythonを業務に組み込む」というと難しそうに聞こえますが、実際の作業量はそれほど多くありません。
| 日 | やること | 目標 |
|---|---|---|
| Day1(今日) | Google Colabを開いて print("Hello") を実行 |
環境ゼロでPythonが動く体験 |
| Day2 | ChatGPTに「自分の業務の重複チェックコード」を生成してもらう | コードを書かずに動く体験 |
| Day3 | 上記コード5選のうち1つをColabで動かす | 実務に近いコードが動く体験 |
| Day4 | 自分のCSV・フォルダで同じコードを試す | 実データで動く体験 |
| Day5 | うまくいかない部分をChatGPTに修正してもらう | エラー解決の体験 |
| Day6 | 動いたコードをタスクスケジューラで自動実行する設定 | 自動化完成の体験 |
| Day7 | 「来週から使う」として業務フローに組み込む | 実務定着 |
Day1とDay3だけ完了できれば十分です。残りは慣れながら進めていけばいいのです。このままPythonを触らなければ、来月も再来月も同じ作業を繰り返すことになります。今週末に2時間使うかどうかの話なのです。
挫折しないための3つの心構え
挫折する理由は3つです。
- 「理解してから使う」を目指す
- コードを自分で書こうとする
- エラーを「失敗」と捉える
これを全部逆にすれば挫折しません。
① 「使いながら理解する」に切り替える
「コードの意味が全部わかってから使う」を目指すと、永遠に実務で使えません。意味は使いながら覚えてくるのです。私の場合、3ヶ月使い続けた後にやっと「あ、これはこういう意味だったのか」と気づいた部分が多かったです。最初の目標は「動いた」という体験だけでいいのです。
ファイルをコピーしておくなど、バックアップしておけば大丈夫です。
② コピペからでいい
コードを自力で書く必要はありません。この記事のコードや、ChatGPTが生成したコードをコピペして実行するだけでいいのです。エンジニアも毎回ゼロから書いているわけではありません。むしろ検索してコピペするのが普通なのです。
③ エラーは「原因が書いてある情報」と捉える
エラーメッセージが出たとき、「失敗した」ではなく「原因が書いてある」と思ってください。エラー文をChatGPTにそのまま貼れば解決策が出てきます。私も最初の1週間で30回以上エラーを出しましたが、全部ChatGPTで解決できました。エラーは敵ではないのです。
よくある質問(FAQ)
Q. Pythonのインストールは必要ですか?
Google Colabを使えば不要です。まずColabで始めて、慣れてきたらローカルにインストールを検討してください。「最初からインストール」にこだわると挫折率が上がります。
Q. プログラミング経験ゼロでも大丈夫ですか?
大丈夫です。この記事では「コードを書く」ではなく「コードを実行する」ところから始めています。文法を覚える前に動かす体験を積むのが一番早いのです。
Q. 会社のPCでPythonを使っていいですか?
会社のIT・情報セキュリティポリシーを確認してください。Google Colabを使う場合は、会社のGoogleワークスペースアカウントを使うと情報管理上安全です。個人アカウントに業務データを保存しないようにしてください。
Q. どのくらいの時間をかければ業務で使えるようになりますか?
この記事のコードを1つ動かすだけなら今日中です。週末の2〜3時間で「1つの業務を自動化できた」という状態に持ち込めます。
Q. Python学習のための書籍やコースはありますか?
UdemyやSchooに「業務自動化」特化のPython講座が多数あります。ただし動かす体験を先に積んでください。体験なしでの学習は途中で止まりやすいのです。
次に読むべき記事
総務業務で実際に使える手順を、以下の記事で詳しく解説しています。
📊 データ整理
→ CSVのデータクレンジング方法|Excel操作手順とPythonコード
→ Pythonで重複チェックを自動化する方法|業務シーン別コード5選
📄 書類管理
→ 紙書類のデジタル化手順|総務担当が一人で進める全ステップ
→ 書類をデータ化するOCRの方法|スキャナーなし・無料でできる手順
🗂️ ファイル管理
→ ファイル名を一括変更する方法5選|失敗時の戻し方付き
→ フォルダ整理を自動化する方法4選|ルール設計から設定手順まで
✉️ 通知・メール自動化
→ 定型メールを自動化する方法|Gmail・Outlook別に総務担当が解説
→ 社内通知を自動化するツール5選
🔧 全体ワークフロー
→ データ整理を効率化するツールと仕組み化の手順
まとめ
- 総務担当のPython入口は「環境構築なし・コード不要・今日動かす」の3原則
- Google Colab+ChatGPTの組み合わせで、コードを書かずに始められる
- まず「CSVの重複チェック3行」を動かすだけでPythonの価値が実感できる
- 1週間のロードマップでDay1とDay3だけ完了すれば十分
- 「理解してから使う」ではなく「使いながら理解する」が総務担当の正しい学び方
まずGoogle Colabにアクセスして、print("Hello, 総務部!") を実行してみてください。これが最初の一歩です。
もし「今の業務の自動化、どこから手をつければいいかわからない」という状態なら、
データ整理を効率化するツールと仕組み化の手順を読んでみてください。
業務全体の自動化フローを設計するヒントが得られます。
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