親は子供を社会に出してやっと安心できる、子育て最後の難関ですね。
だから、自由に人生を歩んでほしいと望む一方で、子供の就活が気になって仕方がない親はたくさんいます。でも、就活ってデリケートな問題ですから、どんな風に接したら良いのか迷う人が多いです。
「口出ししたくないけど、何かアドバイスしたほうが良いのかな。」
「何も話してくれないし。ちゃんとしてるのかな。」
こんな問題を解決する方法は、子供がおかれている就活状況を理解して、そっと背中を押してあげることです。言いたい事はグッとこらえて聞き役に徹しましょう。それが親の役目です。
それでは詳しく説明していきます。
現在の就活状況
まずは子供が置かれている状況を把握しましょう。
現在の採用状況はかなり変わっています。
親世代の就活は、リクルーターや故採用があって、就職氷河期も経験しています。もちろんネットもありませんので、企業情報をハガキで応募して履歴書は手書きですよね。かなり重労働なイメージがあると思います。
でも、現在の就活は、売り手市場ですし、すべてネットで進めていきます。面接もコロナウイルスの影響でオンラインになっています。
まずは、大きく変わったこの状況を順番に確認しておきましょう。
売り手市場
学生に有利な状況です。
人手不足により、企業が人材を欲しています。求人を出しても中々人が集まらないと嘆く企業は多いくらいです。
しかし、注意しなければならない点は、大手企業は募集人数を減らしているということです。大手企業は資金が豊富なため、機械やロボット化を進めて人件費削減を削減する方向に舵を切っています。
売り手市場だから、どこかには就職できるだろうと安易に考えないように注意しなければなりません。
大手指向、終身雇用の崩壊
以前と大きく違う部分です。
大手金融や商社に就職できたら安泰という時代ではありません。
今の若者もそのように考えてはおらず、将来に備えてスキルが身に付くベンチャー企業も人気が出てきました。転職も普通になっているので、そのような企業を選んでも本人の意志を尊重してあげることが大事です。
職業の多様化
ユーチューバーだったり、派遣社員やフリーランスなど働き方が多様になっています。
先生だったり、金融や商社で営業マンになってほしいと考える親もまだまだ多いです。派遣社員に眉をひそめる方もいるのは事実です。でも、今後、法律が整備されてサービスも充実していきます。10年後にはもっと大きな市場になっているかもしれません。
もし子供が、自分になじみのない職業を目指していても、一定の理解を示してあげることが大事です。
グローバル化
避けては通れない時代となっています。
多国籍だったり、海外勤務になるかもしれません。
海外は危ないから、とか、転勤は地域限定の方が良いという考えを押し付けないようにしましょう。
第二新卒、既卒がある
定義は以下です。
- 第二新卒→一旦就職したが短期間で転職する人
- 既卒→卒業したが職歴がない人
30代で転職するより価値がある年代です。つまり大学卒業から数年は無双状態です。
大学4年生で、なかなか決まらない子供もいますよね。卒業したらフリーターだろうかと心配になるでしょうが、数年間は有利なので、決まらないことにストレスを抱えないようにしましょう。
ネットで完結する
求人が掲載されているサイト、通称ナビサイトに登録して、就活を進めるのが主流となっています。流れは以下の通りです。
- 求人を探す
- 企業にエントリーする
- 会社説明会を予約する
これらはネットで完結します。履歴書送付も、専用ページで入力したり送ったりします。
会社説明会に参加した後は面接に進んでいきますが、説明会と面談もオンラインで完結させる企業もあります。企業側としては、多くの方に見てもらえるメリットがありますし、企業PRは録画を流し、担当者も数名で済むので効率が良いです。
家から出ずに内定まで進む世の中になっています。
親の役割
「自分が経験したことのない状況だから上手くアドバイスできるかな。」と心配になるでしょうがアドバイスは不要です。
子供の将来の働き方まで面倒みれないですよね。下手にアドバイスをすると子供は古い考え方に縛られてしまい自立を阻害してしまいかねません。子供には早く自立してもらわないといけないですよね。
親がすべきことは、暖かく見守って寄り添ってあげることです。ポイントは以下の通りです。
- のんびり見えるけど考えている
- 意外と適応している
- でも放っておかれるのは嫌
このポイントを踏まえた上で親の役割を考えていきましょう。
我慢強く見守る
就活を進めている気配がない、のんびりしている、友達は決まっているのに…などなど、心配になってついつい口を出してしまいそうですね。でも、見守る姿勢が大事です。理由は2点あります。
- 何も考えていない子供はいない
- 意外と進めている
子供はみんな、十中八九なにかしら考えています。このままじゃダメだろうなとか、どんな仕事しようかな、などです。
話をしてくれず黙っているのも、考えがまとまらずストレスが原因になっている時もあるので、そんな時に的外れな話をしてしまうと鬱陶しく感じてさらにストレスを与えてしまいます。だから、見守る気持ちをもつのが一番です。
よくある失敗例が、子供より親の方が就活に敏感になってしまって台無にしてしまうことです。本人は自分のペースでちゃんと進めているのに毎日状況を聞かれたら鬱陶しいですよね。それだけは避けるよう気を付けて下さい。
聞き役に徹する
どう進めたら良いのか迷って手が止まっている時があります。それは、いろんな考えが交錯している時です。気になった業界や職種について「本当にこれで進めて大丈夫かな。」とか思っています。
そんな時こそ親がちゃんと聞いてあげるべきです。
でも、理由なしに肯定したり、自分の考えを押し付けてはいけません。逆効果です。これからの時代はそうなると思うから良いと思う、こういう一面があるからやっていけると思うよ、なんてちょっと背中を押してあげるだけで良いです。
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